2021.10.19 脱穀しました

先日の稲刈り体験で稲架掛け(はざかけ)してから約10日。
太陽の光で稲穂を乾かし、うま味も凝縮されたところで?いよいよ脱穀となりました。

イセキ ハーベスター HMG73E 「けん太」
脱穀して稲籾を藁と分別し、袋に充填してくれる機械です。
工場のラインを移動できるようにしました的な、ちょっとした移動要塞感に萌えます。

梅の師匠曰く「もらったんだよ、これ」と。
もらえちゃうんだ、こんなのが。

「袋がいっぱいになったらベルが鳴るから、そうしたらレバーで次の袋に切り替えて!」
はじめて使う機械操作の説明は、軽く緊張が走ります。


早速、束ねた稲を稲置台に開きながら置いていきます。
次々とハーベスターに飲み込まれていく稲の束。指の巻き込み注意!


機械の作業効率は圧倒的。
稲を運ぶ人、入れる人、藁を束ねる人があたふたと翻弄される・・・
各自は目の前の作業に没頭していきます。

気づけば藁は山となり、袋から稲もみが溢れている・・・
「ああっ! ブザー鳴らなかったよねぇ・・・まぁ、もらいもんだからな」
師匠がぼやきながら稲もみを拾い集めます。すみません。。。

ちなみにハーベスター内部はこんな構造になっています。
この互い違いの突起が付いたロールが回転し、稲わらから稲もみをこそげ落としてくれるのです。
少しずつ形が違うあたり、何かメーカーのノウハウが詰まっているのだろうと思います。

束の中の方に入っていたり、束の先端付近にない稲もみは、ハーベスターで落としきれずに出てきてしまいます。
(なので、稲架掛けする束を作る時には稲穂の位置を先端付近に揃えることが大事なのですね)
それをハーベスターから吐き出された藁の束から一本一本手で抜き取り、再びハーベスターに投入し直します。

めんどくさいですね・・・と思いながらしばらくやっていると、ふと
「お百姓さんが八十八回の苦労を重ねて作ってるんだから、一粒も残すんじゃないぞ」
と子供のころ父に茶碗の米粒を綺麗に平らげるよう育てられたことを思い出しました。

あぁ、そうか。こういうことだったのか。
つーか昔はハーベスターなんて無かったんだよな。

そう思うと、次第に藁の束からお米を拾い上げることもありがたく感じてきて
ポカポカ陽気の中、幸せな気分と共に、お米が愛おしくなってくる時間を過ごしました。

一通り脱穀を終えて、こぼしてしまった稲もみをみんなで拾い集めました。
田んぼに集まるスズメの気分・・・かな?

田んぼ一反からコンバイン袋で17袋、合計約360㎏の稲もみが収穫出来ました。
この後、籾摺りをして籾殻が取れて玄米になると、約260㎏くらいになるそうです。
そこから精米して、やっと白米になるのですね。

ちなみに、今回収穫したお米はこちらのお酒になるのです。
その名も「推譲(すいじょう)」
https://www.hakoneyama.co.jp/suijyo/

推譲とは小田原出身の思想家、二宮尊徳翁の報徳思想に登場する経済思想用語です。
剰余を他に譲ることを「推譲(すいじょう)」とよぶ。分度と同様に、推譲は単なる贈与なのではなくて、至誠・勤労・分度の結果として残ったものを譲ってはじめて推譲になるのである。 Wikipediaより

曽我の里で農家さんが至誠・勤労・分度してとれたお米が、お酒となって世の中に推譲されていく。
素敵な名前だなと思いました。

関連記事

関連記事はまだありません。